家づくりのお助けマン!監理のいる安心の家づくり②

家づくりのお助けマン!監理のいる安心の家づくり②

細かな打ち合わせ、設計変更、修繕・・・プロを相手に交渉できますか?そんな時は「監理」がいれば安心!工事の品質は「監理」で決まります。
こだわりふくろう
 

【今日のキーワード】

 誰が交渉をするのか? ・ 設計変更 ・ 依頼先を決める順番 

 

前回に引き続き、今回も現場監理のお話です。
工事が始まる前には図面ができているから、「私たちは家ができていくのを見ているだけ。」とお考えなら、間違いです。工事が始まってからもすることはあります。

建築工事は、様々な建材を使い、複雑な作業を行うので、図面には描ききれていないことがあります。

 

「それが設計者の仕事では?」と言いたいかもしれませんが、全てを描ききるのは不可能ですし、それが現実です。
どんなに素晴らしい図面をいっぱい描く設計者でも、絶対に不可能です。これだけは言い切れます。

 

誰が交渉する?

では、図面に描ききれていない、細かなことへの対応はどうするのでしょう?
工事が始まると、「ここの納まりはどうしよう?」とか「ここの仕上げ方はどうしようか?」ということが度々あります。
対応には、4パターンあります。

 

  A、 作業する職人さんが決める。
  B、 現場監督が指示する。
  C、 監理者が指示する
  D、 あなたが指示する。

 

C、の監理者がいる場合だと・・・、
工事をする人たちは、「こんなやり方はダメ!やり直し」となると大変なので、監理者に質問をして、確認をし、工事を慎重に進めるようになります。
D、のあなたが指示する場合だと・・・、
どう指示しますか?難しいですよね。
プロではないあなたが指示や交渉ができるでしょうか?
ましてや、監理者のように「こんなやり方はダメ!やり直し」と言えるでしょうか?
「いいようにしてください。」としか言うまでではないでしょうか?
こんな心配もあります。
大半の優良な職人さんや現場監督であればいいのですが、一部ですが、自分のしやすいようにする職人さんや経費や工期がかからないようにする現場監督がいたりします。
こんなときに、あなたは見抜けるでしょうか?

 

また、建設会社からの質問とは逆に、監理者から建設会社に確認をする場合があります。
プロの建築士であれば、場合によっては施工図面を工事をする業者に要求して、工事を開始する前にどのように工事を進めるのかを確認し、工事がスムーズに進むようにすることもあります。

例をあげます。

例1.玄関ポーチの施工

玄関とポーチを記載していた図面が3か所ありました。

(一般的な設計図面)

一般の方は、これで大丈夫じゃないの?と思うかもしれませんが、ある監理者は工事の前に確認をするために、工事をする業者に施工図面を作成してもらいました。

工事をする業者が作成した図面でまったく問題がないので、すぐに監理者は「OK」をだし、工事を始めました。

 

例2.収納の高さ

収納の高さを細かく決めていないことはよくあります。
「だいたいこんなもんだろ!」と適当に高さを決めてしまうと、左の画像のようになります。
よくあることです。

右の画像だとちょうどいい高さだと思います。
付けなおしをするほどではないかもしれませんが、毎日少しだけ「イラッ」としますよね。
私なら、収納と電子レンジの間が空いているので、もう少し収納を下げます。
毎日使うモノですから、気分よく使いたいですね。

 

監理者がいると、

  • 現場判断ではなく、監理者に確認をとってから取り付けよう。
  • 家の人の身長が分からないから、一般的な高さでは監理者から修繕の指示があるかも!

と現場は慎重になります。

例3.工事が進んでいる時の変更箇所(設計変更

例1.2のようなこと以外にも、設計変更のときの交渉も誰がするかが大事です。
工事が進んでいても変更箇所がでてくることもあります。

  • ビニールクロス貼りの箇所を一部エコカラット張りにする。
    「エコカラットに変更したら、エコカラットの施工分の日数が増えるよ。」
  • ニッチをつける。
    「今から変更?厳しいなあ。」
  • 手摺を付ける。
    「石膏ボードを張ったのに今からは無理。」

変更があったときに、誰がきちんと交渉できるか?ということです。
あなたはこのような状況で交渉ができますか?
このようなときも、あなたが監理者を雇っていれば強い味方になってくれるはずです。

 

監理の重要性をわかっていただけたでしょうか?

私が思う監理の仕事

私が思う監理の主な仕事は3つです。

1.当たり前の確認

施工のミスとか手抜きとかについて述べた箇所もありましたが、大半の建築現場では、当たり前のことが当たり前に作業されています。その当たり前の作業を、当たり前に確認するのが監理の仕事です。

2.ひと睨み

現場の作業員に睨みをきかすということです。
「もうひと手間かけないと監理者ににらまれそう。」「厳しい監理者だからもう1回点検しよう。」
という風に職人さんや現場監督に思わせるのも監理の仕事です。運転しているときに警察官を見ると、運転が慎重になるようなものですね。

3.交渉

工事の途中で手摺を付けたくなっても、「石膏ボードを張ったのに今からは無理。」と言われた場合に、「ネジを外して、下地の木を入れて、石膏ボードをとめ直すだけだからすぐにできる!」と交渉してくれるのが、監理の仕事です。

 

まとめ

監理は、家づくりに欠かすことのできない存在です。
あなたが家を建てる場合に、①ハウスメーカー ②地元の建設会社 ③建築士事務所 のどこに依頼するのかを決める前に、まずは監理を自分でするのか?プロに任せるのか?を決めることをおすすめします。
これが依頼先を決める順番です。
プロに任せたいのなら、③建築士事務所に依頼するべきだと思います。
自分で監理をするのなら、ブログの「家の建て方」を参考に依頼先を決めて下さい。

こだわりふくろう
 

今回のお話はここまでです。次回も監理ついてのお話です。