今回は平屋と2階建についてです。
平屋と2階建のそれぞれの特長を知ったうえで、どちらが自分たちにあうか?このメリットは重要!こんなデメリットなら気にならない!というのを自分たちに当てはめてみてください。どちらを選ぶかの参考になると思います。
一般的には、平屋を建てる方が10~20坪程度、2階の分だけ土地が余分に必要になり、土地代が高くなります。
「平屋は屋根と基礎が2倍になる分だけ高くなる」という話をよく聞きますが、ちょっと待ってください。
確かにあってますが、これだけでは大ざっぱすぎます。
【平屋が安くなる部分】
下図のように2階建の外壁面に数字をうっていくと、①~⑧までの8面あります。しかし、平屋だと①~⑥までの6面になります。2面少なくなるので・・・、外壁と窓が少なくなり、その分安くなります。さらに、階段が不要になり階段の費用+階段と階段周りの面積が減るのでさらに安くなります。
【2階建が安くなる部分】
断熱材です。平屋に比べると外壁面の断熱材は多くなりますが、屋根と床の部分の断熱材が少なくなるので、トータルでは少なくなる場合が多いです。
大まかな費用の比較ではこんな感じです。一般的に言われているほど、平屋が高くなるとは思わないですが、当サイトの会員の建築士の方数人に聞いたところ、「2階建の方が安くなる」と言っているので、2階建の方が安くなることは間違いないようです。
※、軟弱地盤に平屋を建てる場合は、2階建よりも地盤改良費が高くつきますので、土地を購入する前に地盤の確認が必要です。
平屋は屋根の形状や修繕内容によっては固定足場ではなく、脚立足場だけで工事ができる場合があり、こまめなメンテナンスが可能です。
【平屋の方が安くなるメンテナンス】
外壁面の面積が減るので、外壁・樋・コーキング・軒天。
【2階建の方が安くなるメンテナンス】
屋根の面積は平屋に比べて約半分になるので、屋根。
トータルでは平屋の方がメンテナンス費用は安いです。
2階が寝室の場合には、窓を開けて寝ることもできるので、2階建の方が防犯面は有利です。
【平屋の防犯対策】
平屋でも、たてすべり出し窓やよこすべり出し窓の開口幅や取付け位置を工夫することによって、防犯対策を行うことは可能です。
床面積を狭くできる2階建が、日当たりはいいです。特に、密集地では、1階の日当たりが悪い場合があります。平屋は、建物の中心部から窓が遠くなりやすいので、日当たりは不利です。
【平屋の日当たり対策】
・天窓や高窓を設置
勾配天井にするなど天井高を高くすることで、より高い位置に窓を配置することができます。
・段違い屋根にする
光を家の中までとどけます。
※、高い位置の窓は開けられるようにしておくと、天井付近の熱気を外に逃がすだけでなく、結露対策にもなります。
・コの字型やL字型の形状の家にする
窓の数を増やすことで日当たりをよくします。
・中庭を設ける
日当たりはよくなりますが、カビやコケが発生しやすくなりますので、水はけや通気対策が重要です。
床面積の狭い2階建が有利です。
平屋は、1つのフロアなので話し声、テレビの音、水道の音が伝わりやすいです。
2階建は、2階の足音が1階に伝わりやすいです。
2階建だと1階はお客さんが入るパブリックゾーン、2階を家族だけのプライベートゾーンというふうに分けやすいですが、平屋だと分けにくいです。
2階建は、階段が必要なので、エレベーターでもつけない限りバリアフリーは不可能です。
年をとると階段の上り下りは大変です。ましてや、布団などのモノをもった状態では、大変どころか危険です。
実際にあった話ですが、
老人が1人で住んでいる2階建の家に住んでいました。日々の生活は1階でのみとなり、2階へは上がらなくなっていました。ある日、1階が雨漏りしているので、無理をして2階に上がると、2階の雨漏りの水が1階にまでシミ込んでいました。老後には平屋がいいと思ったそうです。
老後を考えるのなら、玄関・トイレ・浴室の手摺も考えておきましょう。設置しないのなら、「ここに後から手摺を設置できるように!」と打合せをして、図面に記載しておいてもらいましょう。
階段の上り下りがない分だけ、平屋は動線が短くできます。
2階建は、1階が2階と屋根を支えますが、平屋は屋根だけを支えるので、平屋が地震には強いです。また、平屋の方がLDKなどの空間を広く作りやすく、間取りの自由度も高いです。
平屋の方が、家族の気配が感じられる、ドアを開けていると声が届きやすいなどがあります。
土地が狭くてすむ2階建が、土地に対する税金は安くなります。
建築費にかかる税金は、同じ仕様で同じ面積で比較した場合では、平屋の方が高くなりやすいです。一般的な土地の広さでの建築費の場合だと、年間で数万円の違いがでるでしょう。
削減項目 | 提案 | |
---|---|---|
平屋 | 建築費削減 | トイレを1つにできないか? |
ランニングコスト削減 | 屋根の傾斜をゆるくできないか? | |
ランニングコスト削減 |
屋根材は耐久性の長いものにできないか? |
|
2階建 | 建築費削減 | 1階と2階が同じ形状の総2階にできないか? |
両方 | 建築費削減 | 費用をかけるところにメリハリをつけられないか? |
建築費削減 | 建築面積を小さくできないか? | |
建築費とランニングコスト削減 |
家の形状をシンプルにできないか? |
ここが重要!
建築費用だけではなくランニングコストを考えたトータルコストを考慮できないか?
平屋
2階建
いかがでしたか?平屋にするか?2階建にするか?では考えることが多いと思います。
おそらく今回の話を読んだだけでは、どちらにするかは決められないと思います。
そんな時は、担当者とよく相談をしてから決めてください。
担当者が頼りなかったら?
そんなところとは契約しないことです!
高い買い物をするのだから、建築のプロと打合せをするべきです。
今回はここまでです。