梅雨時の家づくり

梅雨時の家づくり

「梅雨時に家を建てない方がいい!」 本当でしょうか?梅雨時の対処の仕方で住宅メーカーのモラルが分かります。
こだわりふくろう
 

こんにちは「理想の家づくり」の福来朗です。

 

今回は、季節限定のお話。
梅雨時の家づくりについてです。
「梅雨時に家を建てない方がいい!」こんな話を聞いたことがないでしょうか?

 

今日のキーワード

強制的に乾燥 ・ 期間が短い ・ コンクリート打ち ・  建材の養生

「梅雨時に家を建てない方がいい!」というのはホント⁉

「梅雨時に家を建てない方がいい!」というのは、30年から40年前までの話です。
木材が濡れることを心配してこう言っていましたが、現在では以前とは違う家づくりをしています。

 

木材は濡れても大丈夫!

理由①

木材の含水率(木材に水分をどれだけ含んでいるか)が違うから
昔・・・木材を乾燥させていなかったため、雨で水分を含みやすく、水分を含んだ後に乾燥すると木の変形が大きい。
現在・・・木材を機械で強制的に乾燥させているので、雨で水分を含みにくく、経年での変形が少ない。

理由② 濡れてしまっても、現在の乾燥させた木材は少し乾燥させれば問題なし。
理由③

建前から木材に雨の影響を及ぼす期間が短くなっているから
昔・・・建前 → 屋根工事 → 外壁側の防水シート張り の期間が長い
現在・・・建前 → 屋根工事 → 外壁側の防水シート張り の期間が短い 

木材とは別な梅雨時には向かない理由

理由①

コンクリート打ち(打設)
打設の問題です。少々の雨なら打設しても問題はありませんが、雨が多く降っているときだと、水とセメントの比率が変わってしまうので、品質が悪くなってしまいます。大雨の中で、打設作業をしている家を見かけることがあるのですが、住宅メーカーや施工会社のモラル、コンクリート工事の品質が心配になってしまいます。

理由②

建材の養生
画像のように木材をきちんと養生しないで、雨で濡れっぱなしになっていると、家が完成してしばらくするとカビが発生します。何年も経つと、木のアクがプラスターボードやビニールクロスなどの仕上げ材を通って浮き出てきて、茶色く汚れたようになります。

理由①と②は、梅雨時に限ったことではなく、梅雨時以外でも起こりうることです。
きちんとした住宅メーカーであれば、この知識を持っていて、打設であれば天気を見て工事日を決めますし、建材は急な雨に備えて養生をしています。気になる住宅メーカーの建築中の物件を見かけたら、くれぐれも工事現場の敷地の外から見てみてください。住宅メーカーのモラルが分かります。

工期の心配

梅雨時に家を建てると、工事がのびて、引き渡し日が遅れてしまわないか心配するかもしれませんが、たいていの場合は、ある程度は雨が降ることを計算して工期を設定しています。雨が例年になく続く場合は、工期が遅れるかもしれませんが、そのような場合でも、引き渡し日の1週間や2週間前に報告するのではなく、少なくとも1か月前には何かしらの相談があるはずです。引き渡しの1か月前だと、ほとんどの家の工事は内装工事になっていて、雨に影響される工事は少ししかないからです。プロの現場監督であれば晴れの日を見計らって雨に影響される工事の工程をきちんと組みます。

追記

カビの発生源の見分け方

壁の裏からカビが発生している可能性が高い

壁の表面からカビが発生している可能性が高い

100%の見分け方ではないですが、左が壁の裏から、右が壁の表面からカビが発生しています。
左のカビの中心部と周囲では、中心部の色が濃くて周囲に行くほど色が薄くなっています。右のカビは、中心部と周囲の色がさほど変わりません。左は、工事中に雨で木材が濡れていた場合や雨漏りが原因として疑われます。右は、結露や換気不足などが原因として疑われます。

こだわりふくろう
 

今回のお話はここまでです。