今回は、掃除しやすい家づくりのお話です。
掃除がしづらい → 掃除がおろそかになる → 汚い部屋 となります。
どんなにおしゃれな家でも、汚い部屋だとおしゃれじゃないですよね?
収納 ・ 形 ・ 素材 ・ 機能
今までに数多くの家を見てきましたが、片付かない家は、収納に問題がある場合が多いです。この問題点をクリアしておかなければ、掃除のしやすい家づくりはできません。
収納するモノに対して収納場所が少ないと、部屋に収納用の家具を置く → 足りないと、さらに収納用の家具を置く → 掃除がしづらい → 散らかる という図式になります。
片付く家づくりの鉄則は、「使う場所に収納する」ことです。
収納場所が近いときちんと片付けますが、遠いと「とりあえず、ここに置いておこう」となります。この「とりあえず・・・」が散らかる家の始まりです。家が完成してから、収納するために3段ボックスなどの家具を置くようになると、後から置く=想定外 → すっきりと片付かない部屋の出来上がり となってしまいます。また、家具を置くと家具の周辺にホコリがたまるし、掃除がしづらい家なります。特に家具に脚が付いていないと、家具の裏側にホコリがたまったり、湿気がたまりやすくなったりしてカビが発生しやすくなります。
【参考記事】リビング収納のススメ
家づくりの段階で、収納不足にならないように、収納率(家の面積のうち、〇%を収納の面積にしよう)という数値がありますが、収納率は大まかな目安であって、数値通りに収納を確保したから充分!とはなりませんので、注意が必要です。特に、見せる収納と屋根裏収納は、面積に対して収納量が少なくなりやすいです。
【参考記事】収納率の落とし穴
形 | 形をシンプルに。ホコリがつきにくく、掃除がしやすいもの。 |
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素材 | 汚れにくく、掃除がしやすいもの。 |
機能 | 汚れにくい、汚れを落とす機能のあるもの。 |
家づくりをする際には、この3つを頭に入れておくと掃除がしやすい家になります。
小上がりやスキップフロアをやめ、室内の段差は階段のみにすることで、掃除がしやすくなります。ロボット掃除機が活躍しやすくなります。ただし、玄関だけは別です。段差がないと靴について持ち込んだ土が、人の出入りとともに室内に入ってきやすくなります。玄関の段差は、外からの土を入りにくくします。これと同様に、リビング+掃出し窓+ウッドデッキでひとつづきにすると、土ぼこりが入りやすくなります。少しでも段差をつけましょう。
見せる収納が流行っていますが、「見せる収納=ホコリがたまる場所を作る」でもあるので、よく理解したうえで採用しましょう。おすすめは、「隠す収納」です。家具も見せないようにし、クローゼットに建具を付けて収納すると掃除が楽になります。隠す収納のおすすめは、可動棚と壁内収納です。可動棚は、収納するモノの形や数が変わったら、棚の位置を変えて対応しやすいです。壁内収納は、壁の厚みを利用した収納方法です。例えば、スリッパだと玄関に並べたりスリッパラックに置くよりも、壁内収納にしまった方がスッキリとします。
家具は、脚付き(10㎝以上のロボット掃除機が入れる高さ)にすると掃除がしやすくなります。家具の下や壁とのすき間にホコリがたまりにくくなり、カビも発生しにくくなります。
テレビは、直置きタイプ → 脚付きタイプ → フロートタイプ → 壁掛けタイプの順で掃除がしやすいです。壁掛けにする場合は、固定式よりも可動式の方が可動させて掃除できるのでおすすめです。
洗濯機は、洗濯機の下に隙間を作ると掃除がしやすくなり、結露がしにくくなりカビが生えにくくなります。「ふんばるマン」がおすすめで、ネット通販で買えます。
ダウンライトは、天井に埋め込まれているのでホコリがたまらないのでおすすめです。シーリングライトは、虫がカバーに入って掃除が面倒です。ペンダントライトは、カバーとコードにホコリが付着しますし、スポットライトもホコリが付着します。掃除が楽なのは、ダウンライトです。
ニッチの下枠は、掃除のしやすい木製がおすすめです。ビニールクロスや漆喰だと汚れると掃除がしにくいです。
シューズクローゼットの靴置き場を可動棚にした場合の背面壁が、ほとんどの家では、ビニールクロスか漆喰になっています。靴を収納するときにあてたり、汚したりするので、傷が付きにくく汚れても掃除がしやすいキッチンパネルがおすすめです。
靴を収納するときに、背面壁に付く汚れ。
掃除しやすいのは、キッチンパネル。
浴室は、収納や鏡をマグネットで壁面にくっつけるようにすると、取り外せるので掃除が楽です。また、古くなってきて汚くなっても交換が楽にできますし、市販のものを購入すると、オプションのものよりも割安な場合が多いです。
トイレは、汚物がつきにくい素材のものや、掃除がしやすい便器があります。メーカーによって特長があります。
キッチンは、ワークトップとシンクに継ぎ目のないもの、換気扇は掃除のしやすいものがおすすめです。
住宅設備は日々、汚れにくく掃除がしやすくなるように進化しています。ぜひ、ショールームやHPで最新の商品の確認を!
長くなりそうなので、今回のお話はここまでです。
次回も引き続き「掃除しやすい家づくり!ポイント8~13」ついてお話しします。