L型キッチン

L型キッチン

L型キッチンの特長は、作業動線が短いことです。デッドスペースができやすい反面、キッチンスペースが広くなります。では、おさえるべきポイントは?詳しくお話しします。
こだわりふくろう
 

今回は、L型キッチンについてお話をします。

 

今日のキーワード

作業動線が短い ・ コストダウン ・ デッドスペース

L型キッチンとは、上からキッチンを見るとローマ字の「L」の形をしているからこう呼ばれています。シンクとコンロが直線部分に、角の部分が作業スペースとなります。

メリット・デメリット

メリット

作業動線が短いです。L型キッチンの最大の特長といってもいいでしょう。シンク・コンロ・作業スペースのどこへでも数歩で移動ができます。また、作業スペースが広いので、料理家電や器具・調味料などを置くこともできます。その下の収納スペースも広くなります。L字のコーナー部分は使い勝手が悪くなりがちですが、各メーカーは使い勝手をよくするためにさまざまな工夫をしています。ぜひ、ショールームで実物をご確認し、体験してみてください。

デメリット

I 型キッチンに比べて割高に、広い設置スペースが必要になります。

 

サイズ

横幅

シンク側が200~255㎝くらい、コンロ側が165~180㎝くらいが多いようです。
一般的な木造住宅のキッチンの間取りで、幅は約350㎝なので、通路分を廊下より少し広いめにするなら、長くても255㎝くらいまでになります。

高さ

よく使われる計算式は、「身長÷2∔5㎝」の式ですが、同じ身長でも、腕の長さによって肘の高さは違います。キッチンでの作業は、肘を起点に前腕を上げたり下ろしたりしますので、「キッチンの高さ=ひじの高さ-10㎝」の計算式の方がおすすめです。
今住んでいる家や友人の家やショールームなどで、キッチンの高さを計って、少し高めだとか、〇〇㎝低めがいいとかの参考にしてみてください。もっとも大切にしたいのは、使う人の「使いやすい」と感じる使用感です。
マットを敷いてスリッパを履く場合は、これらの分の高さも考慮してください。実際に料理するときに「もう少しだけ低くすればよかった」ということにもなりかねません。ただ、オーダーメイドキッチンでもない限りは、1㎝単位での高さ調整は難しいです。各メーカーでは、80cm~95cmの5cm刻みの展開となっています。スリッパやキッチンマットでの高さ調整という方法もあります。

奥行

奥行きは65㎝程度が一般的ですが、前面に収納を設置する場合は90~100㎝くらいが多いです。これくらいあると前への水撥ねも大丈夫でしょう。

 

袖壁・腰壁

キッチンの正面や側面に、床から天井までを壁にする袖壁、床から途中までを壁にする腰壁があります。来客時などに、キッチンを見えにくくするために袖壁や腰壁を付けることがあります。これらは、目隠しだけでなく、水・油跳ね対策にもなります。

設置場所

①ワークトライアングル

ワークトライアングル(=シンク・コンロ・冷蔵庫を結んだ3角形)の距離の合計が600㎝以内になると、料理時の動線が短くなり、効率がいいといわれています。ただし、動線を短くすることばかりにとらわれると、スペースが狭くなり、かえって料理がしにくくなる場合もあります。2人以上で料理をする場合は、特に注意してください。距離の合計が600㎝以内というのは、参考程度にとどめておくのがいいと思います。

②壁

コンロの前を壁にすると油跳ね対策がしやすいです。コンロとシンクの両方を壁にしてキッチン内が見えにくくする場合もあります。

ポイント

図面

キッチン本体の幅や長さ・配置によっては、ちゃんと納まるか心配ですよね?そんなときは設計者に言って、図面に描いてもらいましょう。昔と違って、パソコンで図面を描いているので簡単に正確な距離が分かります。

 

コストダウン

①袖壁・腰壁
キッチンの壁面の仕上げ材は結構高いので、袖壁や腰壁にするとコストダウンにもつながります。
②水・油跳ねガード
メーカーオプションではなく、通販で購入すると安くなります。キッチンに固定するタイプのオプションより置くだけタイプの通販だと汚れたときの交換も簡単です。

袖壁・腰壁

水・油跳ねガード

 

デッドスペース

L 型キッチンは、L字のコーナー部分がデッドスペースになりやすいです。また、キッチン・冷蔵庫・カップボードなどの配置決めをしていく際にも、デッドスペースができやすいです。特に、配置決めの際にできるデッドスペースをどのように活用していくかは、設計者の腕のみせどころです。あなたの意見を反映しつつ、使い勝手のいい配置決めをしてくれる設計者と家づくりをしてください。L型キッチンが納得のいくものになるか?後悔するものになるか?はデッドスペース問題をどう解決するかです。L型キッチンよりもⅡ型キッチンの方がデッドスペースができにくいので、Ⅱ型キッチンも検討してみてください。

 

まとめ

L 型キッチンは、作業性・動線が抜群!
ポイントは、「デッドスペース」の有効活用です。ワークトライアングルを意識しつつ、どのような間取りを提案してもらえるかで、担当者の力量を見極めることができます。
ご自身に合った使いやすいキッチンを作りましょう。

こだわりふくろう
 

今回のお話はここまでです。