今回は下地の設置についてです。
かなりマニアックな話ですが、
見積り段階で決まっていないと金額が上がったり、大工さんが石膏ボードを張る前には決まっていないと工事が戻ったりすることもあるので早めに決めておいてください。
石膏ボード ・ 下地 ・ ボードアンカー
「石膏ボード」とは、画像のように天井や壁に張っている下地材の茶色いボードのことです。
ここで重要なことは、石膏ボードはビス止めの下地ではないということです。
「石膏ボードでもボードアンカーがあるから大丈夫!」
という人がプロでもいますが、限られた条件以外は絶対にダメです。
設置したすぐは大丈夫でも、しばらくすると落下してしまったという現場はいくつもあります。
ボードアンカー
ボードアンカーごととれて穴があいてしまった例
「下地」とは、何かモノをビス止めするときに、ビスがよく効くようにする部材のことです。
このようにしておくと・・・
壁掛けテレビが設置できる
画像は、柱と柱の間に下地を入れて、その上に石膏ボードを張り、その上にビニールクロスを貼っています。
このようにすると、ビスは石膏ボードの裏側の下地に効いています。壁かけテレビを設置しても安心です。
家づくりでは、下地が必要ですが、
「下地を入れてください」と伝えていないと、下地は設置されていません。
内装の仕上げ段階になって、ハンガーパイプを付けたいとか、手摺を付けたいという場合です。
もともと、打合せ段階では依頼されていないことなので、住宅メーカーがよくする対応は、「下地がないので工事ができません」か「追加工事になります」です。
追加工事になると、工事を戻す分だけ割増しになりやすいです。
あらかじめ分かっていれば、ハンガーパイプや手摺の下地を取り付けるのは、大工さんにとっては大した手間ではありません。しかし、ビニールクロスを貼ってしまっていると、せっかく貼ったビニールクロスと石膏ボードを撤去してから、
下地の設置 → 石膏ボードの再施行 → ビニールクロスも再施行 と余計な工事が増えてしまいます。
家の引き渡し後に、カーテン・壁掛けテレビなどを住宅メーカー以外で工事をしてもらう場合です。
住宅メーカーとしては、依頼されていないことや、せっかく予算内におさめたのにコストアップになるようなことは言いたくないので、下地の設置をしていません。
このようにならないためにも、先々まで見通して、要望はきちんと早めに担当者に伝えましょう。
ボードアンカーがなぜあるのか?というとボードアンカーで十分なときもあるからです。
逆に、下地まで設置しないといけないときもあります。ややこしくなってきましたが、ボードアンカーか?下地か?は簡単な見極め方法があります。プロでも知らない人はいますが、一般の人でも簡単に区別できます。
2つの質問から、下の表で判断ができます。
①取り付けるモノを動かしますか? | ②取り付けるモノを片手で軽く持てますか? | |
---|---|---|
必要 | 動かす | 持てない |
不要 | 動かさない | 持てる |
つまり、①動かすものか、②片手で軽く持てないものか、この2つのどちらか1つでも当てはまるものは、下地が必要だということです。
「ボードアンカーでとめるから大丈夫!」と騙されないように、この見極め法を覚えておくと便利だと思います。
今回はここまでです。
次回は下地が必要かどうかを具体的な例を挙げて見ていきます。