こんにちは「理想の家づくり」の福来朗です。
今回は、ビニールクロスの選び方(機能性編)のお話です。
必要な機能と無くてもいい機能と不要な機能に分かれます。
おすすめの機能性 ・ 無くてもいい機能性 ・ 不要な機能性
全てのビニールクロスに全ての機能性が備わっていれば選びやすいのですが、そうではないので、どの機能性を選べばいいのか考えますよね。
※、機能性について体感できる、体感できない、不要については個人の見解です。
機能性 | 体感 | 特長その他 |
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表面強化 | できる |
傷が付きにくい。 |
汚れ防止 | 比較的できる |
表面のフィルム層で汚れにくくしています。 |
耐クラック | 比較的できる |
地震の揺れや柱や梁などの木の収縮でクロスを貼るボードが動いてひび割れするのを軽減します。 |
撥水 | 比較的できる |
水をはじき、汚れが拭き取りやすくなっています。 |
表面強化
汚れ防止
耐クラック
撥水
機能性 | 体感 | 特長その他 |
---|---|---|
抗菌・防カビ | できない |
菌やカビの発生や繁殖を抑制する。 |
あくまでも個人の見解です。
2つの機能とも機能自体が問題ではなく、調湿機能と通気機能があると画像のように経年変化します。
一般的なビニールクロスは、空気を通さないのですが、調湿機能と通気機能があると空気を通します。すると、パテを入れたところと入れていないところで空気の通りが異なるので、クロスの色むらができます。体感できないレベルの機能の上に、経年変化でこのようになるのでは採用しません。布でできた織物クロスにも調湿機能や通気機能がありますが、同様の経年変化をします。
※、パテ処理・・・下地と下地の継ぎ目の段差をなくし面を平らにする下地処理。
「トイレは臭いが気になるから消臭機能を!」「水廻りやクローゼットには調湿機能を」という一般の方やプロの方がいます。メーカーのカタログには実験データ等が載っていますが、体感できるレベルではありません。
例えば・・・、
「シューズクロークは閉めっぱなしにしているのに、消臭機能付きのクロスにしたから、臭いがしない」
「リビングはジメジメしていたのに、洗面所は調湿機能付きのクロスにしたから、カラッとしている」
こんな体験をしたり、聞いたりしたことがありますか?長い期間この業界にいますが、少なくとも私は、体験したことも聞いたこともありません。機能性がウソだとは言いませが、体感できるレベルではないでしょう。みなさんがいる部屋のビニールクロスに消臭機能や調湿機能があるか分かりますか?消臭したければ換気か消臭剤を、調湿したければ換気か除湿器を使うと体感できます。
どちらにしようか?迷った場合などに、2者択一で機能性のある方を選んではいかがでしょう?
画鋲やピンで掲示するタイプ | プラスターボードの上に貼ると、刺した穴が石膏で白くなったり、同じような場所に何度も抜き差しするとプラスターボードがもろくなったりしますので、掲示用クロスの下地はコンパネがおすすめです。 |
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マグネットで掲示するタイプ |
紙などの軽いものを掲示するときにおすすめです。 |
国産品 | カタログの注意書きに「継ぎ目が分かる」旨の記載がないのに、継ぎ目が目立つようだと、欠陥品か施工ミスのどちらかになりますので、修繕の依頼をしてくだい。継ぎ目が目立つ場合の修繕に、ジョイントコークは後々目立ってくるのでNG! |
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輸入品 | ビニールクロスの厚み、色むら、柄が合わないなどの問題で、継ぎ目が目立つ場合が多いですし、クレームの対象にならない場合があります。国産品ほどの仕上がりは期待しない方がいいでしょう。また、日本のメーカーカタログにも輸入品が一部掲載されていますので注意してください。 |
柱などで出ている隅のことを出隅(ですみ・でずみ)、部屋の内側の引っ込んでいる隅のことを入隅(いりすみ・いりずみ)といいます。
ビニールクロスが柄の入っていない無地でジョイントコークに類似色がある場合は、入隅で切る工法をおすすめします。「白無地のビニールクロスは入隅でカットして、ジョイントコークを入れてください。」と言えば職人さんなら分かります。この工法で施工しないと、柱や梁などの木材の収縮や地震の揺れなどで画像のようにシワができたり、破れたりする場合があります。入隅をカットしておくと、ジョイントコークが切れても、ホームセンターに行ってジョイントコークを買ってくれば、一般の方でも修繕できます。柄物やジョイントコークに類似色が無いビニールクロスをこの工法で施工すると、入隅のジョイントコークが目立ってしまいます。
(※、個人的な見解なので、住宅メーカーとの交渉になります)
壁の不陸が目立つ場合があります。プラスターボードの継ぎ目にパテを入れた際の不陸です。厚みのあるビニールクロスにすると目立ちにくいですが、プラスターボードの厚みの精度の問題や、継ぎ目にパテ入れする工法の問題で「不陸を0」にすることは不可能です。私の見解だと、目をつぶって手で触って「ここからここまでパテ入れをしている」と分かれば施工ミス!分からなければ許容範囲だと思います。
余ったビニールクロスをもらっておくと、補修のときに使えます。ビニールクロスは数年で廃番になることもあるので、保管しておくことをおすすめします。
全て量産品です。
一部天井のみ木目調クロス、残りの天井と全ての壁は白無地のクロス1種類のみにしました。
我が家に来た人で、量産品(安い方)のビニールクロスを採用していると気づいた人はいません。
選ぶ際に | 一部天井のみ木目調クロス |
ほとんどの天井と全ての壁 |
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必要と思った機能 | なし | 表面強化 |
あったらいいと思った機能 | なし | 抗菌・防カビ・撥水・耐クラック |
不要と思った機能 | 調湿機能・通気機能 | 調湿機能・通気機能 |
ビニールクロスのお話はここまでです。