I 型キッチン

I 型キッチン

定番のI型キッチンのポイントをお話しします。毎日使うキッチンだからこそ、納得の使いやすいキッチン選びのポイントをお話しします。
こだわりふくろう
 

今回は、I 型キッチンについてお話しします。

 

今日のキーワード

255㎝ ・ ワークトライアングル ・ 80㎝ ・ コストダウン

I 型キッチンとは、シンク・料理スペース・コンロが一列に並んでいて、上から見たときのキッチンの形がアルファベットの「I」の形に似ているキッチンのことです。

I 型キッチンのタイプ

I 型キッチンは、設置場所によって3タイプに分かれます。

①壁付けキッチン

壁に向かって料理するように設置したキッチン。
空間を一番コンパクトにできる分、リビングやダイニングを広くできる反面、キッチンが丸見えになります。

②ペニンシュラキッチン

キッチンの横面が、片方だけ壁についているキッチン。
壁を陸に見立てると、半島(ペニンシュラ)のように見えることから、ペニンシュラキッチンと呼ばれています。

③アイランドキッチン

キッチンのどの面も壁に接していないキッチン。
ペニンシュラキッチンと同様に、壁を陸に見立てると、キッチンが陸に接していないので島(アイランド)のように見えることからアイランドキッチンと呼ばれます。キッチンの両サイドに通路を作る分、ペニンシュラキッチンよりも広いスペースが必要になります。

壁付け

ペニンシュラ

アイランド

メリット・デメリット

メリット

形がシンプルなので、空間がコンパクトにおさまります。また、他のL 型やⅡ型などの形状のキッチンに比べて価格が安くなります。

デメリット

横幅が短いと、作業スペースが狭くなりすぎてしまいます。横幅が長すぎると、各作業の距離が間延びしてしまい移動が長くなります。
今使っているキッチンを基準にして、ショールームで幅を確認して、自分好みの幅を見つけましょう。

 

サイズ

横幅

一般的には、255㎝程度が多いようです。理由は、LDKの巾は壁から壁まで350㎝くらいにすることが多いので、
350㎝(部屋の幅)-255㎝(キッチンの幅)=95㎝となり、残りの95㎝が通路部分の幅になるからです。
95㎝という幅は廊下よりは少し広くなります。

高さ

よく使われる計算式は、「身長÷2∔5㎝」の式ですが、同じ身長でも、腕の長さによって肘の高さは違います。キッチンでの作業は、肘を起点に前腕を上げたり下ろしたりしますので、「キッチンの高さ=ひじの高さ-10㎝」の計算式の方がおすすめです。
今住んでいる家や友人の家やショールームなどで、キッチンの高さを計って、少し高めだとか、〇〇㎝低めがいいとかの参考にしてみてください。もっとも大切にしたいのは、使う人の「使いやすい」と感じる使用感です。
マットを敷いてスリッパを履く場合は、これらの分の高さも考慮してください。実際に料理するときに「もう少しだけ低くすればよかった」ということにもなりかねません。ただ、オーダーメイドキッチンでもない限りは、1㎝単位での高さ調整は難しいです。各メーカーでは、80cm~95cmの5cm刻みの展開となっています。スリッパやキッチンマットでの高さ調整という方法もあります。

 

奥行

壁付けキッチンの場合は、60~65㎝くらいが一般的です。
ペニンシュラやアイランドキッチンの場合は、キッチンの正面に収納を設置するかどうかで奥行きが変わってきます。奥行きがないと、壁付けキッチンと同様に60~65㎝くらいでしょう。収納を設置する場合だと、90~100㎝くらいです。これくらいあると前への水撥ねも大丈夫でしょう。

 

袖壁・腰壁

キッチンの正面や側面に、床から天井までを壁にする袖壁、床から途中までを壁にする腰壁があります。来客時などに、キッチンを見えにくくするために袖壁や腰壁を付けることがあります。これらは、目隠しだけでなく、水・油跳ね対策にもなります。

設置場所

①距離

ペニンシュラやアイランドキッチンの場合は、キッチンと背面のカップボードの距離も使い勝手にかかわります。1人で料理をする場合は80~90㎝がおすすめ。2人以上で使う場合は、互いが行き来できるように100~120㎝くらいがおすすめです。

②ワークトライアングル

ワークトライアングル(=シンク・コンロ・冷蔵庫を結んだ3角形)の距離の合計が600㎝以内になると、料理時の動線が短くなり、効率がいいといわれています。ただし、動線を短くすることばかりにとらわれると、スペースが狭くなり、かえって料理がしにくくなる場合もあります。2人以上で料理をする場合は、特に注意してください。距離の合計が600㎝以内というのは、参考程度にとどめておくのがいいと思います。

距離

動線

ポイント

①80㎝

一般的な廊下の幅は、おおよそ80㎝程度です。現在住んでいる家の廊下の幅を計ってみてください。
この80㎝を参考にすると、キッチンの通路部の幅を決めるのに役立つと思います。「廊下と同じくらいの幅ならOK!」とか「廊下より少しは広くしたい」といった具合に、基準を作ると決めやすいからです。また、今使っているキッチンで距離を測って比較してみる方法もあります。

②図面

キッチン本体の幅や長さ・配置によっては、通路の幅が狭くならないか心配ですよね?そんなときは設計者に言って、図面に描いてもらいましょう。昔と違って、パソコンで図面を描いているので簡単に正確な距離が分かります。

 

コストダウン

①袖壁・腰壁
キッチンの壁面の仕上げ材は結構高いので、袖壁や腰壁にするとコストダウンにもつながります。
②水・油跳ねガード
メーカーオプションではなく、通販で購入すると安くなります。キッチンに固定するタイプのオプションより置くだけタイプの通販だと汚れたときの交換も簡単です。

袖壁・腰壁

水・油跳ねガード

まとめ

I 型キッチンは、定番中の定番で、キッチンの中では一番のローコスト&省スペースになります。
ポイントは、「ワークトライアングル」。シンク・コンロ・冷蔵庫の距離が成功の秘訣です。ご自身に合った使いやすいキッチンを作りましょう。

こだわりふくろう
 

今回のお話は、ここまでです。