雨漏りしにくい家づくりのポイント①

雨漏りしにくい家づくりのポイント①

家が傷む原因の1つは雨漏り。では、雨漏りしにくい家の特長は?見た目重視+コストダウンだけを考えると後からメンテナンス費が高額に!?なんてことにならないためのお話です。

2024年5月9日更新

こだわりふくろう
 

【今日のキーワード】

 切妻屋根 + 総2F建て + 軒先あり ・ シンプル + ひと工夫  

 

今回は、雨漏りしにくい家のお話です。
家は経年変化で少しずつ傷んで、少しずつ雨漏りしやすくなっていきます。でも、雨漏りのしやすい家と雨漏りしにくい家の特長を知っていれば、大事なポイントのいくつかは簡単におさえることができます。

結論

「切妻屋根 + 総2F建て + 軒先あり」がおすすめ!
もちろん、これだけで雨漏りしない家ができるわけではありませんが、形だけでいえばこれが一番雨漏りしにくい家といえます。

 

雨漏りしにくい家の特長

シンプル + ひと工夫

シンプル

複雑な形の家は、つなぎ目が増えることで雨漏りしやすくなります。それに比べ、屋根や外壁に何も付いていないシンプルな家ほど雨漏りがしにくくなります。

屋根と外壁が複雑な家✕

屋根と外壁がシンプルな家(切妻屋根+総2F建て+軒先あり)〇

ひと工夫

例えば
・雨水を素早く流せるように傾斜をつける
・接合部に雨水がかかると雨漏りしやすくなるので、接合部に雨水をかかりにくくする

よくある屋根の形状と雨漏りの解説

形状

① シンプルな造り 
② 水はけがいい(屋根勾配をしっかりととる) 
③ 外壁と軒天の接合部に雨がかかりにくい

 

①②③の3つに当てはまるほど、雨漏りはしにくくなります。

 

切妻屋根 片流れ屋根 寄棟屋根 方形屋根 陸屋根
①シンプル

②水はけ

③接合部

〇~✕

△~✕

 

【解説】

① シンプルな造り

複雑な造りになるほど接合部が増え、そこから雨漏りがしやすくなります。

② 水はけがいい(屋根勾配をしっかりととる)

水はけが悪いと残った水が建材を傷め、雨漏りがしやすくなります。

③ 外壁と軒天の接合部に雨がかかりにくい

接合部に雨があたりやすいと、雨漏りがしやすくなります。

 

屋根別

屋根 解説

切妻屋根
(きりづまやね)

最も雨漏りのしにくい屋根の形状と言っていいでしょう。
①②③のどれをとっても弱点は無く、素晴らしいの一言です。

片流れ屋根
(かたながれやね)

屋根の形状だけだと最もシンプルでよさそうな形状ですが、③が欠点です。水上側の屋根と外壁の接合部が雨にあたりやすくなってしまっています。最近の傾向としては、軒先が無いか短い場合が多いのでここからの雨漏りが心配です。

寄棟屋根
(よせむねやね)

①の部分で少し心配です。③の部分では最も安心な屋根の形状です。

方形屋根
(ほうぎょうやね)

上記の寄棟屋根と同様です。

陸屋根
(りくやね・ろくやね)

「りくやね」でも正解ですが、「ろくやね」と読むとプロっぽいです。
①に関しては申し分がないのですが、②と③が心配です。屋根に降った雨が流れにくく、屋根部分の防水工事を10~15年程度で修繕工事をしないと雨漏りのリスクが上がってしまいます。

切妻屋根と寄棟屋根と方形屋根とでは、切妻屋根が一番目、寄棟屋根と方形屋根が2番目に雨漏りしにくい家です。
※、あくまでも、個人的な見解です。
工法や建材の種類や住宅メーカーの技術力などによって評価は変わります。

屋根の傾斜

屋根の傾斜をきつくすればするほど雨が流れやすくなりますので、雨漏りのリスクは下がります。しかし、台風などの暴風のときには、屋根の傾斜がゆるいほど風による影響が受けにくくなります。雨と風に対してのバランスのとれた傾斜が大事です。また、屋根材によって、同じ角度でも水の流れやすさが変わってきます。水が流れやすい屋根の種類は、金属屋根・スレート屋根・瓦屋根の順になります。

 

軒先

外壁より出ている屋根の部分を軒先といいます。軒先が出ているほど、屋根と外壁の接合部に雨がかかりにくくなります。つまり、軒がゼロの屋根だと雨漏りのリスクが上がるということになります。

 

外壁の形状

外壁は凸凹のない総2F建てが一番シンプルな形状になりますので、雨漏りがしにくいです。外壁にかかった雨水が一直線に地面まで流れるのが理想の外壁の形状です。また、コストダウンにもつながりますし、後々のメンテナンス費用も安くなります。コスト面ではいいことずくめです。

こだわりふくろう
 

今回のお話はここまでです。