今回は、玄関リビングのお話です。
少し前から増えています。何となくで決めると後悔の元!きちんと理解してから採用しましょう。
玄関とリビングは別々の場所に配置し、玄関ホールや廊下で玄関とリビングをつなぐというのが一般的でした。しかし、玄関とリビングを1つの空間にして、玄関ホールや廊下を不要にしようというのが玄関リビングです。
玄関リビングを採用するにあたって、後悔しないためにもメリットとデメリットを把握しておくと、デメリットは「分かっていたこと」と納得したり、デメリットを解消や緩和したりできると思います。
広く感じる | LDKだけの空間だったのが、さらに玄関も加わりますので、当然、玄関リビングの方が広く感じます。 |
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動線が短くなる | 玄関ホールや廊下がなくなるので、買い物をしてきたときに玄関からすぐにLDKに入れるし、ドアの開け閉めも回数が減らせるので、荷物の移動が楽になります。 |
コストダウン |
玄関ホール・廊下が不要 → 数十万円以上のコストダウン。 |
家族の把握 | 玄関リビングなので、必ずLDKを通っての玄関からの出入りになります。家族の出入りの把握がしやすくなります。料理を作ってたら、小さな子供が勝手に外に出ててビックリした!ということが起きにくくもなります。 |
来客時に困る |
お父さんはパンツ一丁、お母さんはスッピンで部屋着だと急な来客に困りますよね。普段からそれなりの格好でいなければならなくなります。 |
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外気の影響を受けやすい |
玄関ドアを開けるとすぐに外なので外気の影響を受けやすいです。 |
靴の臭い | 建築基準法では、リビングは24時間換気を作動する範囲ですので、玄関の靴の臭いはほとんど換気できると思います。24時間換気を切らないように!また、靴の収納場所付近の窓と、全く離れた場所に窓を設置して通気させるという方法もあります。どうしても心配な場合は、靴の収納場所に新たに換気扇を設置するといいでしょう。雨が降って窓が開けられない場合に役立ちます。 |
土砂が室内に入りやすい |
靴についた土砂や風で、玄関からLDKへ土砂が入りやすいです。 |
外から丸見え |
玄関を開けると外から丸見えでは困りますよね? |
高断熱高気密の玄関ドアにしないと、LDKでのエアコンなどの空調設備の効きが悪くなります。特に、引き戸の場合は、構造上気密性が悪くなりやすいので、採用する場合は、気密性をよく確認してから採用してください。構造上は、片開きの方が気密性能が高くなります。
壁に設置する場合は、蓋付きのポストにしてください。
郵便物がポストにはさまった状態だと、外気が入りやすくなります。
段差と掃除が必要です。
段差で土砂の流入を防ぐだけでなく、土間にそもそも土砂が無いようにしておくと、LDKに砂ぼこりが入らないようになります。
個人的には会員の村上先生宅の玄関リビングは、周りの配置も考慮した造りになっていて、様々なデメリットを最小限にしているだけでなく、おしゃれで居心地がいいので大好きな玄関リビングです。
玄関リビングをお考えの人は、「村上真建築設計事務所」の村上先生宅を参考にしてください。
参考:村上真建築設計事務所