【今日のキーワード】
基礎を高く ・ 浸水対策 ・ 建築士の出番
近年、ゲリラ豪雨や大地震の際に、家が浸水するケースが増えてきているように思います。
特に郊外では、田畑を埋めて住宅地にする場合があります。このような場合、大雨のときに田畑に水を貯水する機能があったのに、住宅地にした結果、水害がおこりやすくなるということもあります。
「この辺は何十年も浸水したことがない。」と聞いても、今後はどうか分かりません。また、ハザードマップで浸水想定区域になっている場合など、浸水は家づくりをするときの心配事の1つになりますよね。
そこで、今回は家の基礎の高さについてお話をしようと思います。
基礎を高くすると洪水時に浸水しにくくなりますが、基礎を高くするメリットとデメリットをよく理解したうえで基礎の高さを決めてください。
浸水対策 | ゲリラ豪雨や台風などによる浸水対策になる |
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害虫対策 | ネズミや害虫が上がってきにくくなる |
収納 |
収納場所として利用できる |
浸水対策
収納
金額 | 基礎の高さを高くするほど金額も高くなる |
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段差問題 | 庭と玄関の段差が大きくなる |
耐震性 | 重心がより上にくるので耐震性が低下しがち |
おおまかにメリットデメリットをあげるとこんな感じではないでしょうか?
大雨や津波などで浸水の危険がある場合の対策としては、2つ方法があります。
①土を盛って周囲よりも土地を高くし、そこに家を建てる。
②基礎を高くし、家の床をより高くする。
①土地を高く
②基礎を高く
②の場合、基礎を高くすると耐震性が低下するという話を聞くこともありますが、半分正解で半分間違いです。半分正解というのは、重心が高くなる分だけ耐震性が弱くなるのは本当だからです。半分間違いというのは、耐震性が低下するのならそこは建築士の出番でしょう!といいたいからです。
恥ずかしながら、我が家を建てるときの浸水対策としては、①の土を盛ることしか考えていませんでした。見積りをしてもらったところ、500万円くらいの金額でした。
これは厳しい!何とかならないかと考えていたところ、
ある建築士の方と話す機会があり、「土を盛ってもらう見積りをしてもらったら、500万円もかかるから困っている。」と話をすると、「基礎を上げたら?そっちの方がかなり費用が安くなるよ!今、自分が担当している物件も、浸水対策で基礎を上げているよ。」と教えてくれました。
ということで、我が家は当初考えていた①をやめて②で浸水対策をしました。
ぜひ、基礎を高くすることも検討してみてください。
床に点検口を設置することを忘れないようにしてください。
床下の点検や修繕作業をする際の侵入口として役立ちます。点検口がなければ、床を壊して侵入するしかありません。また、床下(基礎の高さ分)を収納するスペースとして使うときも、点検口が役立ちます。
念のために確認を!設計する人でも間違いをするときはあります。点検口から全ての床下に行けるかを確認してください。
家の基礎についてのお話はここまでです。
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