【今日のキーワード】
雨音 ・ すべり出し窓 ・ 距離を離す ・ 干渉エリア
今回は、騒音を少なくするためのお話です。
最近の家は、ガルバリウム鋼板・天窓・軒ゼロ・高断熱高気密住宅・吹き抜け・斜め天井など騒音になりやすいつくりが増えています。「音対策」については、注意が必要です。
ガルバリウム鋼板 | 屋根や外壁に使われますが、金属製なので雨音がしやすい建材です。ただし、商品によっては音対策している場合もあるので要チェックです。 |
---|---|
天窓 | ガルバリウム鋼板と同様に固い材料なので音がしやすいです。 |
軒ゼロ | 窓に雨があたりやすいです。 |
高断熱高気密住宅 | 屋外からの音を遮断し、室内の音が屋外に漏れるのを防いでくれるけれど、室内の音は響いて反響しやすいです。 |
斜め天井 | 通常だと天井裏が音を緩和する空間の役割をしますが、空間を無くす斜め天井だと音が伝わりやすいです。 |
吹き抜け | 1Fの音が2Fへと伝わりやすい間取りです。 |
ガルバリウム鋼板
天窓
軒ゼロ
吹抜け
音対策を意識する場所を大きく分けると、屋外と室内になります。
屋内の音対策を意識する人は多いですが、屋外からも音はしますので屋外から侵入する音対策にも対策をしてください。
車は、金属系のボディと窓ガラスで覆われていて、雨に強い日は雨音がうるさいですよね?家も同じで、金属系の屋根材・外壁材といえばガルバリウム鋼板ですし、窓ガラスだと天窓を採用することによって、車と同じような状況になります。音だけでいえば瓦屋根がおすすめですし、天窓を採用する場合は、LDKや子供室や寝室では採用しない方がいいでしょう。会話やテレビの音が聞こえづらくなくなったり、寝るときにうるさかったりします。天窓を採用するなら、廊下や階段ホールなどの長時間居ない場所の方がおすすめです。また、流行りの軒先をださない軒ゼロの家が増えていますが、軒先が無い分だけ雨が窓にあたりやすくなり、その分だけ室内に雨音が伝わりやすくなります。
音対策にはすべり出し窓がおすすめです!窓の周囲にパッキンが付いているので、騒音を軽減する効果があります。引き違い窓に比べると音を軽減します。
屋内の対策は2つです。
例えば、音の発生源となる部屋(LDK・浴室・トイレなど)と休む部屋(寝室・子供室)との距離を離して音が届かないような間取りにします。
例えば、子供室同士がくっつくよりも、間にクローゼットを配置します。また、寝室の隣にトイレとなる場合は、廊下を間に配置するといった具合です。干渉エリアを作る基本は、クローゼットなどの収納と廊下を間に配置することです。
【クローゼットを干渉エリアにした例】
※、参考までに壁の中に防音材を入れるという方法もありますが、コストアップになりますし、LDK・寝室・子供室などの「居室」といわれる部屋は、シックハウス症候群の問題で建築基準法により密閉性の高い防音扉を付けてはいけないことになっているので、壁や建具での防音対策は費用の割には効果が薄いと思います。
高断熱高気密住宅だと音が反響しやすいです。音が反響するのは固いモノが多いからです。固いモノを音を吸収するやわらかいモノに変えていくことで反響を少しでも減らします。
例としては・・・、
・ブラインド → ロールスクリーン → カーテン
・フローリング → じゅうたんやタイルカーペット
の順でやわらぎます。
効果は薄いですが、しないよりはした方がいい程度だと思ってください。
また、住宅ではあまり採用されていませんが、天井を吸音材にすることで音の反響を低減させることができます。
家づくりで音対策というと、トイレの音を気にされる場合が多いですが、子供が勉強するときやリモートワークのときの音対策は、おろそかになっているような気がします。家づくりの段階で、間取り計画の段階で、音対策をしてみませんか?音対策は家の設計をする建築士の腕の見せ所です。当サイトの建築士さんと家づくりをしてみませんか?