高断熱高気密住宅の意外な盲点!その対策とは?

高断熱高気密住宅の意外な盲点!その対策とは?

メリットばかりじゃない高断熱高気密住宅。デメリットと対策!より高断熱高気密化させるための注意点を踏まえて、より快適な家づくりと生活を!
こだわりふくろう
 

こんにちは「理想の家づくり」の福来朗です。

 

今回は、高断熱高気密住宅のお話です。
家づくりでは、特に重要視するキーワードではないでしょうか?

 

今日のキーワード

高断熱高気密住宅 ・ メリット ・ デメリット ・ 注意点 ・ 結露

高断熱高気密住宅にすると夏も冬も快適!
これだけで、高断熱高気密住宅にすると、思わぬ落とし穴があります。様々なメリットとデメリットがあり、さらに、家づくりのときと住み始めてからの注意点もありますので、よく理解して、かしこく住んでください。

 

高断熱高気密住宅のメリット

メリット① 光熱費&エアコン代を節約

エアコンがよく効きます。
エアコンのカタログには、「部屋の広さ」と「畳数の目安」が記載されています。この広さの基準は、1964年に定められたものです。つまり、断熱性や気密性が今と全く違う基準での広さを表示しています。
我が家では、部屋の広さよりも狭い畳数のエアコンを設置していますが、スイッチオンしてしばらくすると「しら~」っと問題なく静かに作動しています。
※、イメージとしてはおじいさんやおばあさん宅と、今の新築住宅との違いです。

 

メリット② ヒートショックの予防

浴室や脱衣所が寒くなりにくく、ヒートショックを起こしにくくなります。

 

メリット③ 遮音性

室内の音が、外に漏れにくく、室外の音が、室内に聞こえにくくなっています。

 

メリット④ 虫の侵入が少ない

築45年ほどの家に住んでいた時と、高気密化した現在の家との個人的な比較ですが、クモなどの虫の侵入がほとんどなくなりました。蚊がほぼ1年中いたのが、今では温かい時期だけになり、数もかなり減りました。隙間が無くなり虫の侵入ができなくなっているからだと思います。

 

メリット⑤ 結露が発生しない

注目!

高断熱高気密住宅のデメリット

デメリット① 建築費が高くなる

断熱性や気密性を高めるのですから、いい材料=高い材料を使いますので建築費は高くなります。

 

デメリット② シックハウス

気密性を高くした弊害です。しかし、法律による有害な材料の制限と24時間換気の設置義務が決められています。24時間換気はつけっぱなしにしましょう。
ブログ:シックハウス症候群

 

デメリット③ 臭いがこもる

室内の冷気や暖気が外に逃げないということは、臭いも外に逃げないということです。窓を開けての換気や、換気扇・24時間換気を作動させましょう。

 

デメリット④ 帰宅すると暑い

高断熱高気密住宅といえども、夏の熱気は少しずつ室内に影響します。外からの熱気が逃げにくくなっているので、家の中に熱気がこもりやすくなります。ここでも、24時間換気を作動させておくと、熱くなりにくいのでおすすめです。また、エアコンによっては、外出先からON/OFFの操作ができるものもあります。

 

デメリット⑤ カビの発生

湿気がこもるとカビが発生しやすくなります。ここでも、換気や24時間換気の作動が重要です。特に最近は、窓のないトイレが増えているようです。通気性の悪いトイレだと、トイレに貯めている水が栄養となり、カビが発生しやすくなります。24時間換気をトイレに設置して、作動させておくことをおすすめします。

 

デメリット⑥ 結露が発生する

注目!

メリットの欄で結露が発生しないとお話ししましたが、デメリットにもあるように、結露が発生しやすくなる場合もあります。

対策(設備)

・窓の高断熱高気密化

断熱性
低  高

サッシ アルミ製サッシ アルミ樹脂複合サッシ 樹脂サッシ 木製サッシ
単板ガラス ペアガラス トリプルガラス
仕様 引き違い窓

すべり出し窓
(パッキンで気密性あり)

・シーリングファン
空気を撹拌して部屋の湿度を均一にする役割があります。吹き抜けなどの高い天井の部屋におすすめ。
水蒸気は軽いから上に行くので、高窓を設置している場合は、高窓の結露防止に役立ちます。また、エアコンの効きもよくなります。

 

対策(行動)

・湿度を上げすぎない
湿度は40~60%が快適な湿度です。加湿器、部屋干し、入浴後の湿気が家じゅうに広がると、湿度が上がる原因となります。冬場の加湿は大切ですが、湿度が上がりすぎないように気を付けましょう。

部屋干し 24時間換気の近くだと、湿気が外に放出されやすいのでおすすめ。
入浴後の湿気 浴室の窓を開けるか、換気扇の設置(タイマー付きが電気代の節約に)

家づくりでの注意点

施工会社 実績のある施工会社を選ぶことです。もしくは、設計と施工を別にする場合も、高断熱高気密住宅に実績のある建築士事務所に設計をしてもらい、施工の監理も建築士事務所に依頼することです。つまり、材料をいくらよくしても、こまごまとした箇所での施工が適切でないと効果も?がつくからです。
窓はパッキンのあるすべり出し窓がおすすめです。引き違い窓だと構造上、開け閉めするために隙間ができ、気密性が低下するからです。また、どんなに高断熱高気密の窓を選んでも、外壁材+断熱材の方が性能は上です。窓は小さくが高断熱高気密化の基本です。
玄関ドア 窓と同じ理由で、引くタイプのドアは気密性で劣ります。片開きの方が構造上、気密性は優れています。
郵便ポスト 壁に設置する場合は、蓋付きポストがおすすめです。新聞などの配達物がはさまっているとすき間ができ、そこから冷気が室内に侵入するからです。

家を高断熱高気密化させるためには、いい建材を選んだだけではダメです。小さなことの積み重ねです。
特に、外と接する箇所は注意して、信頼のできる業者・担当者と打合せをしましょう。

 

こだわりふくろう
 

今回のお話はここまでです。