2024年9月4日更新
【今日のキーワード】
地震に強い家づくり ・ 被災と避難を考えた家づくり
今回は、家づくりの段階でできる地震対策のお話です。
家づくりでもかなり重要な問題ですよね。
地震対策で考えて欲しい点は2つです。
| ① 地震に強い家づくり | 地震によって家の被害を少しでもおさえるようにすることです。 |
|---|---|
| ② 被災と避難を考えた家づくり | 家具の転倒などによる被害や、スムーズな避難をするための家づくりです。 |
建物が地震に対してどれほどの耐震性能があるか?を3つにランク分けしています。
| 耐震等級1 | 震度6~7に耐えうる強度 |
|---|---|
| 耐震等級2 | 長期優良住宅の認定には必要 |
| 耐震等級3 | 防災拠点となる消防署や警察署と同等のレベル |
2016年4月に発生した熊本地震では、最大震度7を観測しました。
一般社団法人 くまもと型住宅生産者連合会は、熊本地震における建築物被害の原因を下表のように分析しています。
旧耐震基準:1981年5月31日までに確認申請を受けた建物
新耐震基準:1981年6月~2000年5月
現行規定(接合部の仕様等の明確化):2000年6月以降
新しい基準で建てられ、耐震等級が高いほど、被害が無被害だったり、より軽かったりしています。
でも、新しい耐震基準でも地震に耐えられなかった例もあります。
耐震基準は1回の大地震を想定していて、複数回の大地震は想定外だからです。
熊本地震・能登半島地震では複数回の揺れによって、家にダメージや倒壊などの影響をもたらしています。耐震等級3や耐力面材も検討することをおすすめします。
我が家を設計した建築士さんは、このようなことをふまえて、「ダイライトMS」を採用してくれました。
複数回の揺れにも耐えられるように提案していただき、採用しました。
地震に対応するための建物の構造は、大きく「耐震」「制震」「免震」の3つに分けられます。
| 耐震 | 建物を強くする |
|---|---|
| 制震 | ダンパーなどで振動を吸収する |
| 免振 | 建物と地盤を切り離す |

各住宅メーカーは、独自の技術や素材の開発を進め、それをウリにしていることも多く、採用している工法や特徴は様々です。メリット・デメリットや耐用年数やメンテナンス等についてよく把握してから採用してください。
「寝ているときに地震がおきてタンスが倒れてきた。」ということが起きないように、クローゼットを設置して建具の向こう側にしまう。扇風機やストーブなどの様々なものは収納にしまう。こうすれば、地震がおきて倒れてくるということが無くなり、避難するときにも邪魔にはなりません。部屋を少し狭くしてでも「隠す収納」場所を増やすと、地震対策だけでなく部屋が片付きます。
ここで、注意してほしいのは、最近はやりの「見せる収納」です。隠す収納とは反対に「見せる収納」は危険です。割れやすいモノ・重いモノ・高い位置に置くモノは危険で、特に階段付近に本棚を設置するのは最悪です。重くて硬いモノが高所から地震で落下しますし、避難通路の階段に本が散乱していると階段を滑り落ちやすいです。

「隠す収納」〇

「見せる収納」✕ 特に通路は危険!
開き戸にすると、地震の揺れで中のものが、扉を押して飛び出してくる場合があります。折れ戸か引き戸の方が、中のものは出にくいです。
家具類は、なるべく固定して設置するようにしましょう。
テレビは壁掛けにしてはいかがでしょうか?壁掛け用の金具だと数千円からあり、きちんと固定していれば、倒れてくる心配はないでしょう。壁掛けにする場合には、住宅メーカーの担当者に「ここに○○インチくらいのテレビを壁掛けにするので、下地を設置して。」とお伝えください。下地がないと壁掛けにするのは難しいです。必ず、下地を設置してもらいましょう。自立式の全身の鏡も、壁に固定する方がおすすめです。
どうしても、家具類を置きたい場合は、ホームセンターで固定用の金具などが販売されていますので活用してください。また、固定用の金具はしっかりとした下地にとめてください。プラスターボードでは強固な固定はできません。


掃出し窓の前に、家具などを置く場合があります。地震の揺れで家具などが窓にあたり、ガラスを割ることがあります。
掃き出し窓の前には、家具などを置かないようにすることが一番ですが、おすすめは、掃出し窓を中連窓にすることです。東面や西面だと、掃出し窓と中連窓では、部屋の明るさはほとんど変わりません。窓の高さが低くなる分、窓のコストダウンにもなります。窓の高さも数多く種類があるので検討してみてください。
夜はドレープカーテンを、昼はレースカーテンを引いておくとガラスが割れても飛散が軽減できます。
地震でガラスが割れると避難のときも危険です。ガラスフィルムを貼る=ガラスの飛散防止にもなります。おすすめは透明の紫外線カット機能のあるガラスフィルムです。紫外線を99%カットできるものもあり、室内の日焼け防止にもなります。
階段などの壁との距離が狭い空間などに、ペンダントライトを設置しているのを見かけます。揺れて壁にぶつかり傷がついたり、割れたりすることがあります。また、ペンダントライトが破損した場合には、非難する際にも危険です。特に、玄関や廊下だと危険です。他の照明がおすすめです。
一直線の階段よりも、途中に踊り場を設けるか廻り階段の方が安全です。手摺をつけておくとさらに安全です。階段の上り下りの際に、地震にあってしまった時、踊り場や廻り階段だと落下する勢いを低減して、ケガの軽減につながりやすいからです。


大きな地震が発生すると、テレビなどで火事が発生した映像を見たことがあると思います。地震のときの火災の原因としては、転倒したストーブなどから可燃物を燃やし、火事になると思われるでしょうが、これとは別に通電火災があります。阪神・淡路大震災の出火原因の約6割が、通電火災ですので、火事にならないためにも気を付けるべきことです。
地震の発生により停電することがあります。その後、復旧し再び通電することにより火災が発生することを通電火災といいます。
ケース① 地震により電気ストーブや照明器具などが倒れていて、通電することにより可燃物に引火し、火災が発生する。
ケース② 地震により電気配線の被覆や電気機器本体が損傷していて、通電することにより火災が発生する。
地震が発生して避難する際に、ブレーカーを落としてから非難すると、通電火災をかなり防ぐことができます。しかし、地震は1回だけとは限りません。椅子や脚立に上ってブレーカーを落とそうとしたときに、大きな地震が発生すると、転倒し大けがにつながる恐れがあります。
そこで、分電盤を椅子や脚立に上らないでも届く位置に配置することをおすすめします。低いと目立ちますので、目立たない収納やウォークインクロゼット、パントリーなどに設置してはいかがでしょうか?

高い所・届きにくい所は危険

分電盤を収納の中に、床から160㎝の高さに設置
調理中に、地震が起きて、揺れているさなかに、火を消すことは危険が伴います。
機器が、設定以上の地震を感知すると、自動で火を消す機能のあるキッチンがあります。採用の際に確認してみてください。こちらの方が安全です。また、震度5相当以上の地震などの非常時には、ガスメーターの安全装置が作動し、ガスを止めるようになっています。
どうか、耐震性能や免震性能だけにこだわらず、
家族の被災と避難も考えた家づくりをしてください。
今回のお話はここまでです。
