老後に優しい家づくり

老後に優しい家づくり

老後にやさしい家づくりは今の家族にもやさしい家づくり!先のことと思わず、今からできる老後のこと。新築のときからの準備についてもお話しします。

今回は、老後にやさしい家づくりのお話です。
老後にやさしい=若いときにも、赤ちゃんや子供たちにもやさしい家づくりになります。「先のこと」と思わずに家づくりに取り入れてください。取り入れてほしいことを項目ごとにお話しします。

 

①高断熱・高気密住宅

夏は涼しく、冬は暖かい家づくりということです。
特に、浴室・脱衣室とトイレには気を付けてください。ヒートショック対策としても重要です。

浴室・脱衣室・トイレの窓 引き違い窓だと気密性が低いので、パッキンのついたすべり出し窓にするか、思い切って窓をつけないという方法もあります。高断熱・高気密化 + コストダウンにもなります。24時間換気を付けるのであれば「窓なし」という選択肢もありますが、付けないのであればカビ対策も兼ねて通気性をよくするためにも窓は付けた方がいいです。その際はペアガラス + 樹脂窓で横すべり出し窓がおすすめです。 

 

②バリアフリー

段差をなくす、段差をゆるやかにすると老後に暮らしやすいだけでなく、小さなお子さんにもやさしい家になります。特に、スキップフロアにすると、移動する度に段差があるので大変です。掃除機もバリアフリーとの相性は抜群です。特にロボット掃除機は段差が苦手です。

 

③間取り

2F建ての場合は、老後や体が不自由になったときのために1Fで生活ができるように間取りを考えてください。LDK、トイレ、浴室を1Fに配置するだけでなく、寝室を持ってこられるように小さくても1部屋あるといいでしょう。
トイレは、2Fは1畳でもいいですが、1Fは1.5~2畳あると使いやすいです。車いすや介護のときには、1畳では狭いです。
脱衣室は、ヒートショックを防止するためにも、LDKに隣接するか、24時間換気を付けるかして、暖かい空気をLDKから脱衣室に誘導するなどの対策が必要です。どうしてもできない場合は、エアコン・ストーブなどの暖房器具で暖めるといいでしょう。
階段も重要です。1F~2Fまでまっすぐな階段よりも、途中に踊り場があったり、曲がったりする方が階段で足を踏み外した場合を考えるとより安全です。

④建材

ドア 引き戸が使いやすいのでおすすめです。
床材 フローリングだと「滑りにくい」旨の表示をした商品があります。また、部屋によってはじゅうたんやタイルカーペットもおすすめです。

 

⑤手摺

必要な場所は、玄関・階段・トイレ・浴室です。新築時に手摺を取り付けなくても、後から取り付けられるように下地を設置してもらい、図面に記載してもらうと、将来的には短時間で安く・きれいに手摺を取り付けられます。取り付けたい位置に柱がない場合だとキレイには取り付けられませんので下地が必要です。また、浴室は新築時に手すりを取り付けておくのをおすすめします。腰痛やケガをしたときのような急なときにも役立ちます。ちなみに、玄関やトイレは手摺を付けておくと手垢汚れの防止にもなります。

⑥台の不要な家

分電盤は高い位置に設置する場合が多いですが、想像してみてください。老後になって、停電時の暗いときに、台をもって、上って、操作するのは、危険です。地震のときは、停電時に2回目の地震の揺れが起きる場合もありますので、さらに危険です。分電盤は、台が無くても届く位置に設置してください。

⑦掃除が楽

部屋になるべく物を置かない=掃除が楽な家になります。
見せる収納が流行っていますが、掃除に関しては隠す収納がだんぜん楽です。また、家具を直置きにせずに、脚付きの家具にした方が掃除が楽ですし、家具の底面にカビが発生しにくいです。
照明は、ペンダントライトやシーリングライトだとホコリがたまりますので、ホコリがたまらないダウンライトがおすすめです。また、テレビボードは背面にホコリがたまりますので、壁掛けテレビがおすすめです。動画配信サービスや外付けHDDの小型化などにより、テレビボードが無くても大丈夫です。

⑧コンセント

コンセントの中心部から床までの高さは一般的には25㎝が多いですが、30㎝にするだけで老後の使い勝手がよくなります。大した違いがないようでも高い位置の方が老後には楽です。

⑨IH

調理機器は、IHがおすすめです。火を使わないので火災のリスクが低く、二酸化炭素が発生しないので部屋の空気がきれいですし、不完全燃焼による一酸化炭素が発生することもありません。また、掃除がしやすいです。

 

⑩庭造り

老後に庭をやり直すという方は、問題ないのですが、若いときにこだわり過ぎた庭は、メンテナンスが大変です。木や花を植えすぎて、年をとって維持するのが大変というのはよくある話です。こだわり過ぎに要注意です。

こだわりふくろう
 

今回のお話はここまでです。