【今日のキーワード】
本体工事費 ・ 付帯工事費 ・ ややこしい話 ・ ボヤっとしたもの
今回は、前回の続き、坪単価についてのお話です。
前回は、 坪単価=本体工事費÷坪数(約3.3㎡/坪) の式で
消費税と坪数だけで坪単価を安く見せるテクニックを披露しました。
この坪単価の式に出てくる本体工事費とは、どのようなものをいうのでしょうか?
本体工事費も、前回の坪数と同じで、きちんとした決まりはありません。
本体工事費とは、言葉そのままで建物本体にかかる工事費用です。
つまり、建物本体であれば本体工事費に、建物本体でなければ付帯工事費になります。
では、具体的に例をあげてみましょう。
屋根 ・ 壁 ・ 床 ・ 窓 ・ キッチン ・ トイレ
これらは、どう考えても建物に含まれますので、本体工事費になります。
屋根や窓やキッチンのない家は考えられないですよね。
塀 ・ 門扉 ・ 植栽 ・ カーポート ・ 玄関アプローチ
これらは、どう考えても建物ではないので、本体工事費ではなく、付帯工事費になります。
カーテン ・ 照明 ・ 造作家具 ・ 網戸 ・ エアコン ・ 地盤調査費 ・ 長期優良住宅仕様
これらは、項目によって本体工事費にしている会社もあれば、付帯工事費にしている会社もあります。
建築のプロである建築士でも意見は分かれ、ややこしい話になります。
具体的に説明していきます。きちんとした決まりがないので私個人の見解になります。
カーテン | カーテンは種類も金額も様々なので見積りがしにくく、引き渡し後に専門業者に依頼することもよくあるので付帯工事費。 |
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照明 |
「照明がなかったら夜は真っ暗で生活できない!」と思いますので本体工事費。と思っていましたが、 |
造作家具 |
建物に固定するものは本体工事費、床に置くだけのものは付帯工事費だと私は思います。
テレビ台は家具屋さんや通販で買って置くだけなので本体工事には入りません。 台を壁に固定して、テレビの上には照明も付けているので本体工事費。
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網戸 | 別途発注はおかしいと思うので本体工事費。 |
エアコン |
壁に付けるエアコンは家電量販店に付けてもらうことが多いので付帯工事費。 |
地盤調査・改良工事費 | 家を建てる時には法律で地盤調査が義務付けられていますが、調査は工事ではないので付帯工事費。地盤に問題があるかどうかで地盤の改良工事をするかどうかが決まるので付帯工事費。 |
まだ、みなさんボヤっとした感じではないでしょうか?
そうなんです。坪単価とはボヤっとしたものです。
前回の最後にお話しした「1つの家でも坪単価は安くも高くもなります。」とは、こういう理由だからです。
① 税抜き表示にする(※、2021年4月1日より総額表示が義務化されているので、税別表示はダメです。)
② 坪数をなるべく大きくする
③ 本体工事費に入れる項目を少なくする
「坪単価が安い!」と声を大にして営業マンに言われたり、宣伝していたりしたら、坪単価をどのようにして算出したのかを聞いて、納得をしてから依頼先を決めるようにしてくださいね。
建てる側(業者)の本体工事は左の画像で、みなさんがイメージする家は右の画像です。くれぐれも注意してください。
建てる側の本体工事のイメージ
みなさんがイメージする家
みなさんがイメージする家は、本体工事費+付帯工事費+諸経費(登記費用や印紙代など)が含まれているものなので、業者とのずれがあります。何回も打合せをして、お見積書を業者に出してもらったら、想像していた金額と全然違って、業者探しからやり直し!なんてならないように気をつけてくださいね。
「坪単価〇〇万円」では分からない!
分かるのはせいぜい、同じ住宅メーカーの○○プランと△△プランを比較するような場合に、どちらのプランが安いのかが分かる程度です。
坪単価についてのお話はここまでです。